コピルアックは動物の力によって精製されたコーヒーです。
ジャコウネコがコーヒーの木の果実を食べると、種子は消化されずに糞として排出されます。
この種を洗浄し乾燥させます。乾燥後にパーチメント(種子の殻)を除去し、中の生豆を取り出したものがコピルアックです。
【コピルアック精製プロセス】
(1)洗浄:排出された種子を、きれいな水でしっかり何度も洗います
(2)乾燥:時々攪拌しながら、天日で全体を均一に乾燥させます
(3)脱殻:機械で種子の殻を取除き、中の生豆を取り出します
(4)選別1:手作業で虫食い・小さい・割れ等の欠点豆を徹底的に除去します
(5)選別2:手作業でフラットビーン(平豆)とピーベリー(丸豆)に選り分けます
コピ = インドネシア語で「コーヒー」
ルアック = インドネシア語で「ジャコウネコ」
まさにジャコウネココーヒーですね。
現在は野生のジャコウネコから排出された豆に加え、農園で飼育されたジャコウネコのものもあります。
また長期保管(熟成)されたものもあり、それぞれに香りや味わいに特長があるようです。
コピルアックは、その独特な風味の良さからインドネシアのコーヒーの最高峰と言われています。
供給量が少なく希少性があり、人気の高いコーヒーです。
コピルアックの「ルアック」は、正式名は「マレージャコウネコ」です。
ジャコウネコはジャコウジカの麝香(ムスク)に似た香りを出すことからジャコウネコと呼ばれます。
夜行性で群れを作らず、普段は単独で縄張りを作り樹上で過ごすようです。
主にコーヒー果実、バナナ、パパイヤなどの果物を食べますが、ほかに魚、昆虫、鳥なども食べる雑食性です。
縄張りは2平方キロ~17平方キロ程度と言われています。縄張りの大きさは、その場所の食料事情で変化するようです。
・厳選されたコーヒー豆
ジャコウネコは熟して美味しい木の実だけを選んで食べるため、コーヒー豆の味も良いと言われています。
・ジャコウネコ体内でのコーヒー成分の変化
ジャコウネコ体内で消化酵素や腸内細菌の働きによりコーヒー豆の成分が変化し、独特の香りと味わいになると言われています。
ある分析によると、他のコーヒーに比べカフェインが半分程度に減り、またコーヒーに含まれる特定のアミノ酸が増加したとのことです。
これは当店の商品の分析結果ではありませんが、コーヒー豆の成分自体が変化するということを示しています。
インドネシアがオランダの植民地だった1696年に、オランダ人がコーヒーの木の苗を持ち込み、コーヒー栽培が始まりました。
その後1830年に始まった強制栽培期。過酷な環境に置かれていた農園労働者は、コーヒーを飲むことは許されず、コーヒーの味を知る機会さえも与えられなかったようです。
あるとき、農園労働者が動物の糞の中にコーヒーの種子を見つけ、これを使って密かにコーヒーを飲んだのが始まりと言われています。
インドネシアの伝統的なコーヒーの飲み方は「トゥブルック」です。
コーヒー豆を細かいパウダー状に挽いて使います。
コーヒーカップにコピルアックパウダーと砂糖を入れ、お湯を注ぎよく混ぜます。
しばらく置いてパウダーが沈んだら、上澄みを飲みます。
ドリッパーやフィルターを一切使わない飲み方というのは、コピルアックの起源にも関係しているのでしょうか?
飲み方はそれぞれのお好みで良いと思いますが、伝統的な飲み方も興味深いですね。
当店のコピルアックは、農園で飼育されているジャコウネコのものです。
ジャコウネコたちは、ジャワ島の農園で大切に育てられています。
コーヒー果実のほか、バナナやパパイヤなどの果物、鶏肉、魚などを食べています。
当店では、コピルアックをピーベリーとフラットビーンに選別して、別々の商品として販売しています。
コピルアックは、チョコレートや花を連想させる甘い香りがあり、苦味と酸味と甘みが絶妙なバランスのまろやかな味わいが特長です。
リラックスタイムのお供や、お酒の後の〆のコーヒーとしてもおすすめです。
ぜひお試しください。